統計学のストーリー 第2章:検定
第2章:検定
2種類の標本集団{X1,X2,…,Xm}, {Y1,Y2,…,Yn}の母平均が異なるかどうかを知りたい。
安直には、標本平均を比較すればよい。しかし、その差が小さいとき、例えばのとき、異なると判断してよいのだろうか?サンプリングの偏りでたまたまズレただけではないか?主観で判断するならば、説明力がなく科学ではない。
そこで、これを定量化する。第1章の議論から、と仮定する。
中心極限定理から、
〇母分散が異なるか否かを検定する:F検定
不偏標本分散を算出すると
再生性から
で変数変換すると、
だから、F分布の定義から
これで、「であるとき、[tex; \frac{U^2_X}{U^2_Y}]が採れる確率:p」が計算できる。「
なら
であると結論付ける」と先に決めてから計算する。
の確率密度関数をプロットして、青色の区間にサンプル値が入れば「
なら
であると結論付ける」
〇母平均が異なるか否かを検定するT検定
F検定で母分散が等しいか否かを調べておく。母分散が等しければA、異なればB。
A)母分散が等しい場合、
なので、t分布の定義から
B)母分散が異なる場合、
ウェルチの近似法
Apple純正イヤホンを修理しました。
0.エピローグ
皆さんはどんなイヤホンを使っていますか?私はずーっとアップルのイヤホン「Ear Pods」(イヤーポッツって名前だったんだ!)を使っています。高校生の時にケータイデビューしたのですが、その時買ったiPhoneについてきたEar Podsを気に入り、壊れては買い替えを続け、アンドロイドに機種変更した今でも愛用しています。
私のEar Podsの好きなところは、ずばりその形です。Appleが二千人だかの耳の形を調べ尽くして、最大公倍数的に全人類の耳にフィットする形状を導き出したらしいです。やっぱりすごいですねアップル。そのおかげで、どのイヤホンとも適合しない私の耳でもピッタリ。どれだけ頭を振ろうとも見捨てないでいてくれる。ありがとう!
でも、嫌いなところもあります。ボタン部分です。(正式名称は知りません)
ここがすぐに壊れるんです。ボタンがバカになってずっと押されてる状態になります。押してもないのに再生・停止されたり、Siriが呼び出されたり。
最近またボタンが壊れました。今までは買い替えていたのですが、なんだか直せそうな気がしたので、挑戦しました。そして成功したので、ここに報告させていただきます。
1.Ear Podsの仕組み
Ear Podsを分解してみた動画がYou Tubeにあります。
whats in Earpods? Earpods disassembly.
Ear Podsの中身はだいたい下図のような感じです。
音楽はボタンがなくても流れるので、ボタンのバグを直すためには、ボタンと端子をつなぐ緑の導線を切ればよいです。分解して確認済み。
2.修理後
問題なく聴こえています。
電流には3種類ある!
0.概要
この本
を読んで学んだことを書きます。
電流には3種類ある。
- 対流電流
- 伝導電流
- 変位電流
以下それぞれについて解説していきます。
1.対流電流とは、ボール投げ
3種類の電流のうち最もイメージするのが簡単なのが、対流電流だと思います。電子がビューンと飛んでいくのが対流電流です。
ボールが飛んでいく。そのボールが電荷を持っていたら、「対流電流が流れた」といいます。
対流電流は熱力学で言うところの「熱対流」と似ています。似ているというか熱対流から名前を採ったっぽい。熱対流とは熱い空気が上に、冷たい空気が下に行く現象のことです。熱対流では熱を運ぶ空気が実際に動いています。
熱対流になじみがない人へ(動画は25分。適当に見れば10分で理解できます。)
2.伝導電流とは、ドミノ倒し
中学校で習う電流は伝導電流のことです。導線に電流が流れるメカニズムは以下の通りです。
- 電池が導線内に電界をかける
- 導線内に存在する電子が電界を感じ、少し動く
- 少し動いた電子が隣の電子と衝突
- 衝突した電子がその隣の電子と衝突
- ドミノ倒しのように3~4を繰り返す
ポイントは電子が動かないことです。ぜひ対流電流と比較してください。
伝導電流は熱力学で言うところの「熱伝導」とよく似ています。熱伝導とは、料理中のフライパンの持ち手部分が熱くなる現象です。コンロはフライパンの底しか温めていないのに、その熱が伝わって(伝導して)持ち手まで熱くなるのです。
より詳しく言えば、「熱い・冷たい」とは、分子の振動が「激しい・おとなしい」のことなので、フライパンの底の分子が隣の分子と衝突して、ドミノ倒し式に衝突を伝えていき、結果持ち手の分子まで激しく振動するのです。
熱伝導の場合でも、分子は動かないのです。ぜひ熱対流と比較してください。
3.変位電流とは、
変位電流は伝導電流・対流電流とは趣向が異なります。伝導電流・対流電流は電子に注目していましたが、変位電流は電子に注目しません。じゃあ、何に注目するか?
空間です。「その空間の電界が強くなった・弱くなった」に注目します。
平板コンデンサがわかりやすいです。
(i) 電池をつないでないとき、当然平板間に電界は存在しません。
(ii)電池をつなぐと
電池をつないでない状態(i)と電池をつないだ状態(ii)を比べると、平板間の空間では電界が増加している。これを「変位電流が流れた」といいます。
日本語の問題ですが、これは電界が「増えた」だけで、「流れた」感がないのが気になりますね。これはおそらく変位電流の表現を伝導電流・対流電流に合わせたためだと考えられます。
4.まとめ
4-1.平板コンデンサを例にしてまとめ
平板コンデンサを用いて、3種類の電流をまとめてみたいと思います。まず、電池をとき、真っ先に流れるのは伝導電流です。そして、平板に電荷が貯まることで、平板間に変位電流が流れます。さらに、電荷が貯まっていくと、おそらく絶縁破壊が起こり、平板間の空間を電子が飛びます。つまり、対流電流が流れます。
図中①:対流電流 ②:伝導電流 ③:変位電流 を表します。
4-2.熱力学との比較でまとめ
熱力学との比較で電流の3種類をまとめると
こんな感じかな?変位電流が熱放射に対応するというのは私の意見で、本には書いていません。ただ、どちらも光の発生源になれるという点で、私には蜜月な関係があるように思えます。皆さんはどう思われるでしょうか?
ルジャンドルとベッセル
0.概要
図書館でルジャンドル関数などについての本
を借りました。この本を明日返すつもりなので、いつでも思い出せるように書き残しておきます。
この記事で微分方程式の解き方を学び、次の記事で水素原子のシュレリンガー方程式を解きます。(追記:気が向いたらにします。)
1.プロローグ)物理と数学と私
物理学書を読んでいて急に理解できない数式が出てくると、「もう無理。やめたい。」となり、その本を放り投げます。本と同時にその分野まで投げ捨ててしまいます。「私にはこんな高尚な物理を理解できる頭がない」と。
最近、量子力学に無力感を感じなくなりました。まあ、ニュートン力学ほど感覚で理解している訳じゃないけど、そこそこ仲良くなったと思います。私と量子力学のキューピットは数学でした。まじめに行列の計算をすると、ちゃんと答えてくれる。
量子力学と友達になって、世界が開けました。みんなと友達になれるんだ!私たちは数学という言語を通して、対話できる。
最初の話に戻ります。私がわからなかったのは、物理学ではなく数学でした。だから数学を勉強すればいいのだ。そしてうれしいことに物理学のために必要な数学はとても少ない。
平松愛理 - 「部屋とYシャツと私~あれから~」Music Video
2.物理数学は2階線形偏微分方程式だけしか出てこない!
物理学で出てくる方程式はだいたい同じ形をしている。その形とは、2階線形偏微分方程式です。
$$m\frac{d^{2}x}{dt^{2}}=F$$
例2)ラプラス方程式
$$\nabla^{2}\psi=0 $$
例3)波動方程式
$$\frac{1}{c^{2}}\frac{\partial^{2}\psi}{\partial t^{2}}=\nabla^{2} \psi $$
例4)シュレリンガー方程式
$$i\hbar \frac{\partial \psi}{\partial t}=\big(-\frac{\hbar^{2}}{2m}\nabla^{2}+U\big)\psi $$
だいたい同じ形なので、数学的にもだいたい同じように解ける。(系統的に説明するなら、すべて超幾何関数に帰着される。特殊函数 (岩波全書 252))
3.2階線形偏微分方程式の解き方
2階線形偏微分方程式を解く大まかな流れは
- 変数分離
- 各変数について頑張る
です。そして、2の頑張りがルジャンドル関数 or ベッセル関数 or それ以外である。だから、数学にそこまで興味のない人は
- 変数分離
- 各変数についての解 = ルジャンドル関数 or ベッセル関数 or それ以外
という認識で間違いない。つまり、2階線形偏微分方程式に対して我々がすべきことは、どんな時にルジャンドルで、どんな時にベッセルが解になるかを覚えることです。
4.どんな時にルジャンドルで、どんな時にベッセル?
結論から言いましょう。球座標のときがルジャンドル、円筒座標のときがベッセルです。一例として、ラプラス方程式を解いてみます。
$$\nabla^{2}\psi=0 $$
比較として、直交座標のときの解き方も書きます。
4-1.直交座標のラプラス方程式
$$\big(\frac{\partial^{2}}{\partial x^{2}}+\frac{\partial^{2}}{\partial y^{2}}+\frac{\partial^{2}}{\partial z^{2}}\big)\psi(x,y,z)=0$$
変数分離$$\psi(x,y,z)=X(x)Y(y)Z(z)$$を用いる。と同時に両辺$$XYZ$$で割ると$$-\frac{1}{X}\frac{d^{2}X}{dx^{2}}=\frac{1}{Y}\frac{d^{2}Y}{dy^{2}}+\frac{1}{Z}\frac{d^{2}Z}{dz^{2}}$$
左辺はxの変数、右辺はyとzの変数なので、=が成立するためには両辺とも定数でないとダメ。(逆に言うと、変数で=になることはない。)だから$$右辺=m^{2}$$とおける。よって解くべき式は $$\left\{\begin{array} x\frac{d^{2}X}{dx^{2}}=-m^{2}X \\ \frac{1}{Y}\frac{d^{2}Y}{dy^{2}}+\frac{1}{Z}\frac{d^{2}Z}{dz^{2}}=m^{2} \end{array}\right.$$第2式は$$ -\frac{1}{Y}\frac{d^{2}Y}{dy^{2}}=\frac{1}{Z}\frac{d^{2}Z}{dz^{2}}-m^{2}$$左辺はyの変数、右辺はzの変数なので、=が成立するためには両辺とも定数でないとダメ。だから$$右辺=n^{2}$$とおける。結局$$ \left\{\begin{array} x\frac{d^{2}X}{dx^{2}}=-m^{2}X \\ \frac{d^{2}Y}{dy^{2}}=-n^{2}Y\\ \frac{d^{2}Z}{dz^{2}}=(m^{2}+n^{2})Z \end{array}\right.$$
よし解ける形になった。X,Y,Zの解がexpの形になることがわかる。
4ー2.球座標のラプラス方程式
4-1の直交座標から球座標に変換する。(詳しくは三次元極座標のラプラシアン)ちなみに、ここで$$\left\{\begin{array} xr>0 \\ 0\leq\theta<\pi\\ 0\leq\phi<2\pi \end{array}\right.$$の条件が付く。
$$\big[\frac{1}{r^{2}}\frac{\partial}{\partial r}\big( r^{2}\frac{\partial}{\partial r}\big)+ \frac{1}{r^{2}}\frac{1}{sin \theta}\frac{\partial}{\partial \theta}\big( sin \theta \frac{\partial}{\partial \theta}\big) + \frac{1}{r^{2}}\frac{1}{sin^{2}\theta} \frac{\partial^{2}}{\partial \phi^{2}}\big]\psi(r,\theta,\phi)=0$$ これを$$\psi(r,\theta,\phi)=R(r)\Theta(\theta)\Phi(\phi)$$を用いて変数分離して解くと、等号成立は両辺が定数になるときなので、$$-\frac{1}{\Phi}\frac{d^{2}\Phi}{d \phi^{2}}=\frac{sin^{2}\theta}{R}\frac{d}{dr}\big( r^{2}\frac{dR}{d r}\big)+ \frac{sin \theta}{\Theta}\frac{d}{d \theta}\big( sin \theta \frac{d\Theta}{d \theta}\big)\equiv m^{2}$$いろいろ計算するとθに対してルジャンドル関数になる。
4-3.円筒座標のラプラス方程式
数式書くのが面倒になってしまったので、ここで中断して、また気が向いたら書きます。でも、書きたかったことは、球座標→ルジャンドル・円筒座標→ベッセルだけで上に書いたので十分かと思います。読んでくれてありがとうございました。